東洋医学薬膳とは
東洋医学の理論に従って適した食材や中薬を使い、健康の維持、病気の予防と治療を目的とした学問で、一番大切な目的は健康と長寿です。
私たち人類は何千年、何万年という時を経て、地球の気候の変化や育った土地の環境の影響を受けて今の身体が構築されました。自然界の中で気候と環境の変化に応じて生きていくために、 「天人一合」の考えが生まれました。東洋医学では自然に合わせ自然と共に生きていくという、自然との統一性を求めています。
私たちは自然の一部であり、地球の進化の過程で出来た創造物です。自然の環境に沿った生活や食事をすることで、身体が生き生きとして活性化し、整っていくことが分かります。
この世に生を受け誕生してから今現在の身体まで成長できたのは、食べ物によるものといっても過言ではなく、大きな要因となっています。
そう!私たちの身体は食べ物で出来ているのです。
東洋医学では親から受け継いだ先天的な生命力を蓄えている物を「先天の本(せんてんのもと)」と言い、親から子へ受け継がれるもので、親が丈夫なら子も丈夫と言われています。また、親が丈夫でなくても食べ物から後天的に生命力を補充することで健康な身体を作ることができるとも言われています。それを、「後天の本(こうてんのもと)」と言います。親から受け継いだ先天の本と毎日の食事の中で補われる後天の本が結びつく事により、生命力が目覚め、活性化していくのです。
毎日の食事がいかに大切かが見えてきます。
毎日の食生活の中で薬膳を活用することで、老化を遅らせ未病(みびょう)を防ぎ、いつまでも健康で若々しい身体を作ることができます。
国際薬膳師とは
日本国際薬膳師とは中国政府が直轄する中国薬膳研究会が認定証書の発行を行う、薬膳における権威ある資格です。東洋医学の考えに基づき、病気の予防・健康のための食生活の知識を持つ者の事。不調の改善・疾病の薬膳や季節に合わせた薬膳を実践できます。
体に不調を及ぼす原因
病気になる原因を東洋医学では本人に原因がある「内因」、本人以外に原因がある「外因」と「不内外因」に分けます。
☆内因とは・・・人間の感情である七情(怒・喜・思・悲・憂・恐・驚)によって引き起こされる臓腑の不調。
感情と身体は密接な関係を持っています。感情の過激な変化や精神的なストレスにより、バランスが崩れると身体の不調に繋がります。
☆外因とは・・・気候の変化に影響を受ける身体。
六気(自然界の六種類の気候変化)「春=風、夏=暑・火、梅雨=湿、秋=燥、冬=寒」によるもの。
☆不内外因とは・・・飲食不説-過食、拒食、小食による不調。偏食(嗜好の偏り)によるバランスの不調。
労逸過度-過酷な労働で精神、肉体を酷使する。または動かな過ぎても身体を痛める。
薬膳のススメ 活用術
五気六味
五気・・・薬膳では、身体を温める食べ物(温性・熱性)、身体を冷やす食べ物(涼性・寒性)と寒性・涼性・熱性・温性の食薬のように、はっきりした性質を持たず他の食薬と合わせやすく、緩和する働きがある(平性)の五つの性質、効能を持っています。
六味・・・食薬にはそれぞれに味があり、味覚を表すと共に、それぞれの味によって身体に効果をもたらします。
酸味・・・収斂(引き締める)、固収(止める)。肝・胆に効果があります。
苦味・・・瀉下(身体の余分な物を体外に出す)。心・小腸に効果があります。
甘味・・・緩める、滋養。脾・胃に効果があります。
辛味・・・発散、行気(気の流れを良くする)。肺・大腸に効果があります。
鹹味・・・散結(塊を柔らかくする)、瀉下。腎・膀胱に効果があります。
淡味・・・滲湿(体内の湿を出す)。心・肺・脾・胃・腎経に入ります。
季節に合った食事をする
気候の変化に臓腑は大きな影響を受けています。
春は自然界の陰陽が入れ替わる時。気候が不安定なので陽気を育てるためには、温性で甘みや辛みを持つ食材をとります。
梅雨の時期は体内に湿が溜まりやすく、気の停滞にも繋がるので、温性で甘みのある食材や、芳香性、虚湿作用のある食材をとります。
夏は暑くよく汗をかき、身体の水分が奪われやすいので、身体の熱を冷まし水分を補う涼性の食材、または寒性で清熱作用のある食材をとります。
秋は乾燥の季節。平性で甘みや酸味を持つ食材や、肺に潤いを与える食材を摂ります。
冬は寒く体が冷える季節。平性、温性、熱性で身体を温める食材をとります。また、冬は「納気」と言ってエネルギーを蓄える時期なので、体質を増強し、免疫力を高める食材をとることを心掛け、常に身体のバランスをよい状態になるよう維持しましょう。
自分の体質を知り、不調を補う食事をする
西洋医学とは病気を見る医学で東洋医学とは人を見る医学で、身体と心全体を見る学問です。
私たちの身体は、気候の変化や生活している環境の変化、そして日常生活から及ぼされる精神的、身体的ストレスや、疲れから日々影響を受けています。毎日同じ健康状態を保つのは難しい事です。日々変化している身体に目を向け、心や肉体の叫びに気づいてあげましょう。日頃の小さな不調は身体からのサインです。小さな不調を見逃していると大きな不調に繋がり、やがては病気へと発展していくこともあります。
身体からの小さなサインを察知して、不調の原因となっているところを探り、改善していくことで未病を防ぎ、健康を維持することができます。
簡単で手軽な料理を作る
薬膳は自然の食材を使い、健康の維持、病気を予防するための食事です。自分に合ったメニューを考えて、長く続けることが大切です。スーパーなどで手軽に購入できる、旬の食材を上手に生かし活用することが長く続ける秘訣です。たくさんの食材を取り入れるからいいという訳ではありません。簡単に調理できるメニューを考え、三食に活用するのがよいでしょう。薬膳茶や薬膳酒なども毎日とることができて、生活に彩を与えてくれます。
薬膳を生活に取り入れることにより、料理の幅も味も広がりますし、健康へと導かれるのが何よりうれしい事です。
体質チェック
今の身体の調子を知り、健康で豊かな生活を送りましょう。
該当する項目が最も多いところがあなたの身体の調子を表すタイプと言えます。
あなたはどのタイプ?
血虚タイプ
- 顔色が蒼く艶がない
- 爪が折れやすい
- 髪に艶がない
- 皮膚が乾燥して小じわや肌荒れが目立つ
- 爪や唇の色が淡泊
- 貧血、めまいや立ちくらみをする
- 生理不順、経血の量が少ない
- 眠りが浅く夢をよく見る
陰虚タイプ
- 微熱があり、のぼせたり、ほてる
- 寝汗をかく
- のどが渇いて冷たいものを欲しがる
- 身体が熱っぽく頬が赤くなる
- 手のひらと足の裏が火照る
- 身体が痩せる
- 肌や目が乾燥しやすい
- 便秘気味
薬膳教室のご案内
薬膳茶養生講座・・・自分の体質を知り、体質に合ったお茶をブレンドします。
季節の薬膳講座・・・春・夏・梅雨・秋・冬の季節に合わせた薬膳をご紹介します。
疾病に応じた薬膳講座・・・美肌・老化防止・慢性疲労・更年期障害・眼精疲労・便秘・肥満・冷え性・生理痛・皮膚疾患・カゼなど、症状に応じた薬膳処方。
薬膳養生講座・・・陰陽五行・疾病の原因(外因・内因・不内外因)、七情(感情)、臓腑の仕組み、食薬の性質と効能、体質チェックまで、ひと通り学べる講座です。
体質チェック・望診講座・・・身体の表面上に起きている状態や不調を見て健康状態を確認します。
体質チェック表で自分の体質を見極めて、自分に合った食材選びを考えます。
感情と臓腑講座・・・感情の乱れによる身体に与える不調を紐解き、感情を整えていきます。七情(怒・喜・思・悲・恐・憂・驚)などの感情は身体に大きな影響を与えています。感情から起こる、臓腑の不調を知り、感情の整え方を知る講座です。
食薬の性味と効能・・・食材や中薬の五気(寒・涼・温・熱・平)と六味(酸・苦・甘・辛・鹹、淡)の性質と特徴を知り使い分けを学びます。
陰陽五行講座・・・陰陽五行説の理解。自然界と人間の調和や身体と感情の関係性を陰陽五行論で紐解いていきます。
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